税理士に無料相談をする7つの方法!相談できること、できないこと
税理士に税金のことを相談してみたいけれど、相談料が高いと二の足を踏んでいませんか?できれば最初は無料で相談できないだろうかとお悩みの方へ、実は無料で相談する方法がいくつかあります。
ただし、税理士に無料で相談するのはメリットもデメリットもあります。
相談先によって相談できる内容にも違いがありますので、無料だからといって何でも聞けるわけではないのです。
今回は、相談したいことにあわせて相談先を選べるように、無料で利用できる相談先とそれぞれの特色についてわかりやすく解説します。
税理士に無料で相談することができるサービス
税の相談を無料でできるところを7つご紹介します。国税庁や税務署は職員が相談にのってくれますので税理士ではないのですが、一般的な税の相談であれば無料で利用できます。
相談先 | 相談に乗ってくれる人 | 対面 | 電話 | その他 |
---|---|---|---|---|
税理士会 | 税理士 | ○ | ○ | ー |
商工会議所、自治体など | 税理士 | ○ | ○ | ー |
税理士事務所 | 税理士 | ○ | ○ | メールなど |
税務署 | 税務職員 | ○ | ○ | ー |
国税庁 | 国税局職員 | × | ○ | チャット、障害者用メール相談 |
セミナー | 税理士 | ○ | ー | オンライン |
オンラインサービス | 税理士 | × | × | チャット、メール |
税理士会の無料相談窓口を利用する
税理士会とはその名の通り、税理士によって作られている組織のことです。国税局の管轄にあわせ全国に15の税理士会が存在します。
それぞれの税理士会で無料相談窓口をもうけていますので、税に関する様々な相談ができます。
ここでは東京税理士会の無料相談を例としてご紹介しましょう。
【東京税理士会の納税者支援センター】
- 相談日:月曜〜金曜(祝日除く)
- 時間:10時〜16時(12時〜13時除く)※受付は15時30分まで
- 相談内容:税務、会計その他
- 相談方法:電話、対面
- 利用時間:原則30分以内
無料であることから相談できる時間が限られています。時間を有効活用するために、相談に必要な資料などをそろえてからいきましょう。
また、時間も短いので個別の複雑な事情については答えられない場合があります。あくまでも一般的な相談ということで利用するものです。
相談に対する回答は一般的な範囲で行いますので、複雑な相談内容や個別事案に関しては答えかねます。
引用元:納税者支援センター | 相談 | 一般の方へ | 東京税理士会 | 公式サイト
なお、税理士会の無料相談は、税理士に依頼したことのない人だけが利用できます。すでに他の税理士に依頼している方は利用できませんので、ご注意ください。
商工会議所や自治体が主催する無料相談
商工会議所や自治体など税理士に相談できる窓口を設けています。
商工会議所には、税理士だけでなく弁護士や社会保険労務士など経営に関する悩みや問題を相談できる窓口があります。原則として個人事業主や小規模事業者、これから起業する予定の人の相談に限定されています。
当相談窓口は、都内の小規模事業者、個人事業主、創業予定者の方を対象に、経営に関するご相談に限定しております。中小企業以外の団体(大企業・一般社団法人・公益社団法人・医療法人等)の方はご予約状況によりお断りさせていただく場合がございます。
引用元:窓口専門相談 | 無料経営相談 |東京商工会議所
たとえば東京商工会議所では、確定申告の手続きや決算の手続きなどについて相談を受け付けています。相談は予約制になっていますので、電話またはオンラインでで予約をしてからいきましょう。
税理士事務所の無料相談
税理士事務所は相談料が高い!と思っている方は多いですが、一部の事務所では無料相談も行っています。
相談の方法はさまざまで、電話、メール、最近ではLINE(ライン)やチャットで相談できる事務所も増えてきました。
節税方法についても、あまり込み入った内容でなければ答えてくれます。
無料ですので、時間や内容は限られていますが、どのような事務所なのか、どんな税理士が在籍しているのかを知るためにも、正式に依頼する前にぜひ無料相談を利用してみてください。
税務署の無料相談窓口
税務署にも無料相談窓口があります。確定申告の手続きや相続税に関することなど、一般的な税の相談ができます。
確定申告の相談なら自分が納税する市区町村を管轄する税務署、相続税なら亡くなった人の最後の住所地を管轄する税務署になります。
管轄は、国税局のホームページから調べることができます。
税務署の相談は税務署の職員が対応していますので、納付の方法や申告書の作成についてなど、主に手続き面の相談が可能です。
国税庁の無料相談窓口
所得税や確定申告に関する相談は税務署でよいのですが、これはどこに相談すればよいのだろう?と迷ったら、国税局の電話相談センターが利用できます。
国税庁のホームページにある、
- チャットボット
- タックスアンサー
などを見てみても疑問が解消されない場合は、電話相談もあります。
国税に関する一般的なご相談(制度や法令等の解釈・適用についてのご相談や手続案内など)については、各国税局に設置する「国税局電話相談センター」において、国税局の職員がお答えしています。
引用元:税についての相談窓口|国税庁
以下の手順で電話します。
- 管轄の税務署の代表電話にかける
- 音声案内にしたがい、「1」を選択する
- 音声案内にしたがい、相談内容を選択する
相談できるのは、以下の内容です。
- 所得税
- 源泉徴収、年末調整、支払調書
- 譲渡所得、相続税、贈与税、財産評価
- 法人税
- 消費税、印紙税
- その他
答えてくれるのは国税局の職員です。個別の相談ではなく、あくまでも一般的な相談に利用してください。
税理士事務所や金融機関などが主催する無料セミナー
税理士事務所や金融機関が不定期で無料セミナーを開催しています。
その時々のテーマに合わせて専門分野の税理士が登壇しますので、有益な話を無料で聞けるチャンスです。
税に関する知識を得られること、参加者と名刺交換などもできることから、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
セミナーのあとは個別相談会の時間が取られることが多いです。思わぬ収穫もあるかもしれません。
オンライン税務相談などのサービス
「税理士ドットコム」の「みんなの税務相談」など、オンライン上で相談できるサービスもあります。
その性質上、相談内容は公開となっており、誰でもみられるようになっていますので、あくまでも一般的な相談に限られますが、他の人の相談内容も参考にできるでしょう。
無料相談で相談できる内容。どこまで無料で相談できる?
無料ではどのようなことが相談できるのでしょうか。
確定申告のやり方、書類の作り方
確定申告については、個人事業主はもちろん、住宅控除や医療費控除などを受けたい会社員からの相談も多くみられます。とくに年末から2月にかけては相談件数も増える傾向にあります。
税務署では税理士を招いて、確定申告のセミナーなどを開催していることもありますので、初めてでやり方がわからないという人はぜひ問い合わせをしてみましょう。
法律に沿った適切な節税対策を教えてもらえる
国税局や税務署に「節税したい」と相談するのはあまり適切ではありませんが、税理士会や税理士事務所の無料相談で節税に聞いてみるのは問題ないでしょう。
税の知識が不十分なまま自己判断で節税しようとすると、脱税になってしまうかもしれません。故意ではなくとも、結果的に脱税になってしまったら大変なことです。
あくまでも一般的な例としての回答にはなりますが、払わなくても済む税金についてなど、大まかなルールは教えてもらえるはずです。
補助金関連の相談もできる
税理士会や税理士事務所への質問なら、税金そのものだけでなく、給付金や補助金など事業に関する相談ができる場合があります。
経営のことも含めて相談したいという方は、無料相談でどこまで相談できるのかを確認して相談先を選ぶと良いでしょう。
税理士に無料相談をするメリット
無料相談は、やはり料金がかからないという点が最も大きなメリットです。
他にも、このようなメリットがありますので、無料相談を利用したい目的と合致するのであれば積極的に利用してみましょう。
税務署・国税局は匿名で相談できる
税理士事務所への相談などは予約が必要ですので、予約の際に個人情報が必要になります。
一方で、税務署や国税局へ電話で相談する場合には匿名で相談できますので、氏名や住所など個人情報を伝える必要はありません。
とりあえず個人情報は伏せ、一般的な話をしたいなら国の機関を利用することをおすすめします。
正しい申告の方法を知ることができる
税は、申告の方法を間違ってしまうと、調査の対象になってしまう可能性があります。
記載誤りや添付書類不足などがよくみられる誤りですが、無料相談を利用することで正しい申告ができるようになるでしょう。
特に相続税は税務調査によって追徴課税されるケースが非常に多いです。難しい手続きをすべて自分で行おうとせず、やはり専門家である相続税の相談のおすすめの税理士を頼ってください。
税理士なら、適切な節税対策についても相談できます。
直に話すことで自分にあった税理士が見つかる
ひとくちに税理士といっても、さまざまな人がいます。年代も違いますし、経歴や得意分野も違います。税金という、場合によってはとてもプライベートな話をしなければならないので、信頼できる人に仕事を頼みたいと思うでしょう。
その人が信頼できるか、そして自分と相性が合うか、ホームページを見ているだけではわかりません。
ですから、無料相談を利用し実際に話してみてこそ、人となりがわかるというものです。
無料相談では話せる時間が限られるものの、感触はつかめると思います。たくさん利用してみて、自分と相性の良さそうな税理士を見つけてください。
相談の内容が漏れることはない
デリケートなお金の話なので、人にはあまり聞かれたくない、知られたくないと思う人もいると思いますが、安心してください。
税理士に相談したことが、外部の人に知られることはありません。
税理士には税理士法により守秘義務が課せられており、将来にわたりあなたの相談内容を他に漏らすことはありません。安心してご相談ください。
引用元:納税者支援センター | 相談 | 一般の方へ | 東京税理士会 | 公式サイト
税理士への無料相談のデメリット
無料であることのメリットは大きいですが、デメリットと感じられることもあります。
相談できる時間が限られている
無料相談は、およそ30分以内と時間が限定されていることが多いです。無料ですので、これはいたし方ないことだと思います。
電話でも対面でも原則は同じなので、限られた時間を有効活用できるよう、何を相談したいのかしっかりと整理しておくことが大切です。
一般的な回答しか得られない
無料で相談できるのは手続きの話や一般的な税の仕組み、制度についてなどです。個人的な内容、一歩踏み込んだ内容にはあまり答えてもらえません。
時間や答えるための材料が足りないこともありますし、前提条件が足りない状態での回答は税理士側にとってもリスクが高いからです。
込み入った話をする場合には、有料での相談の方が確実な答えを得られます。
税理士が自分の相談したい分野が得意だとは限らない
税金にはさまざまな種類がありますし、個人事業主なのか企業の経営者なのか、それともこれから起業をしたい人のかによっても相談したい内容は違うでしょう。
答えてくれる税理士が、必ずしも自分が聞きたい分野を得意としているとは限りません。
もちろん税理士は全般的な税の質問には答えられますが、あなたが聞きたいことを専門にしている税理士に聞いた方が、より的確な答えを得られます。
質問の内容によっては相談しづらい場合もある
税金がもっと安くなったらいいのに…なんとかもう少し節税できる方法はないものか。そのようなお悩みも多いと思います。
税理士事務所の無料相談を利用すれば、質問の内容によっては求める答えが得られるかもしれませんが、たとえば税務署や国税局には相談しづらい質問です。
そもそも国の機関は、正しく税を納めてほしいと思っているのですから、法令に沿った一般的な回答しかできません。
少し踏み込んだ質問をしたいと思うのであれば、有料の相談を利用した方が良いでしょう。
顧問税理士の契約へと誘導されることがある
無料のセミナーなどでは、個別の質問コーナーから契約に結びつけようと思っている税理士もいます。
一般的な回答をしておいて、「詳しいことは顧問税理士になってから」と誘導するケースがあります。
これは、無料の電話相談などでもあることなので、注意してください。
相談したい分野を得意とする税理士を選ぶことが大事
ここまでお話ししてきた通り、無料ならばなんでも相談できるわけではありません。時間も内容も限られています。
ですので、何を相談したいのか、自分が相談したい内容に強い税理士を選ばなくてはなりません。
たとえば、これから会社を設立したい人と、事業を大きくしたい人とでは、相談したい内容が違うはずです。無料相談によって自分にあった税理士を見つけたいと思っているなら、自分が相談したい分野に強い税理士に絞って探しましょう。
無料相談を有効活用するコツ
無料相談は時間が限られていますので、その時間を最大限、有効活用したいものです。
ですから、
- 聞きたいことを整理してまとめておく
- 相談したい内容に関する書類を準備しておく
この2点を覚えておいてください。
話をするだけよりも、書類を見せた方が早い場合があります。対面で相談するなら、ぜひとも用意しておきましょう。
またその場で話をまとめようとすると、何を話したかったのかよくわからなくなってしまうこともあります。
相談したいことをメモに書いておき、持っていくことをおすすめします。
そして、無料相談では、以下の項目を必ず確認しましょう。
- 税理士の対応
- 税理士の知識
- 税理士の料金
税理士の対応や知識が自分に合っているかどうか、また、料金体系が納得できるかどうかを確認することで、後々トラブルを防ぐことができます。
税理士無料相談Q&A
税理士に無料相談することを検討している人の、よくある疑問や質問に解答します。Q&Aを見ていきましょう。
無料相談で話を聞いてもらえる内容は何?
無料相談では、主に税務や会計に関連する基本的な質問に対応します。具体的な業務内容や料金についての説明も含まれることが多いです。
無料相談の目的は、税理士との相性を確認するためや、初めての税理士利用に際しての不安を解消するためのものであるため、具体的な問題解決には限定的な場合が多いです。
無料相談後の料金は?
無料相談は初回のみのサービスで、その後の具体的な業務には料金が発生します。
料金は以下の要素に基づくことが一般的です。
- 依頼する業務の内容
- 税理士の経験と専門分野
- 税理士事務所の規模など
料金については、無料相談時に明確に確認することがおすすめです。
無料相談の時間はどれくらい?
無料相談の時間は税理士事務所によって異なりますが、一般的には30分から1時間程度が一般的です。
短い時間でも効果的な相談を行うためには、事前に相談内容を整理しておくとよいでしょう。
無料相談は何回でもできる?
無料相談は通常、初回のみのサービスとなっていることが一般的です。それ以降の相談には料金が発生する場合が多いので、最初の相談で必要な情報をしっかりと収集することが重要です。
オンラインで無料相談は可能?
多くの税理士事務所では、オンラインでの無料相談を受け付けています。この方式では、ビデオ通話などを使ってリモートで相談を行うため、遠隔地に住んでいる場合でも利用できます。
オンラインでの無料相談も、対面と同様に事前準備が求められることが多いので注意しましょう。
無料相談で資料はもらえる?
無料相談では、税理士や事務所のサービス内容、料金体系などの資料を提供している場合があります。資料が欲しい場合は、相談時に明示的にリクエストするとよいでしょう。
無料相談後に契約は必要?
無料相談後に税理士との契約は必須ではありません。相談後に自分に合うと感じた場合のみ、契約を進めることができます。
契約を急かされるようであれば、他の税理士も検討することがおすすめです。
無料相談で解決しなかった場合は?
無料相談では基本的な疑問解消が主で、具体的な問題解決には限りがあります。無料相談で解決しなかった場合、有料の具体的なサービスへの依頼を検討するとよいでしょう。
複数の税理士と相談して、自分に合うサービスを見つけるのも一つの方法です。
税理士の無料相談は相談したい内容によって選ぶ
税理士に無料相談する方法はいくつかあります。確定申告の方法や税に関する一般的な質問であれば、税務署や国税局でも相談できます。
もう少し踏み込んで、節税対策など個別の相談をしたい場合には、税理士会や商工会議所が行っている無料相談を利用するのもおすすめです。
ただし、その場にいる税理士が、自分の相談したい内容に詳しいとは限りません。適切な回答を得たいと思ったら、税理士事務所の無料相談を利用することをおすすめします。
税理士法人Besoでも、3つの方法で無料相談を受け付けています。
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