【今からでも間に合う!!】第11回 小規模事業者持続化補助金
2022年12月16日に「第11回 小規模持続化補助金」の公募要領が公開されました。
申請受付締切は2023年2月20日となっており、今からでも申請が間に合う補助金です。
今回はそんな小規模事業者持続化補助金をご紹介いたします。
目次
「小規模事業者持続化補助金」とは?
小規模事業者は、資金力や人材などの経営資源に大きな制約があります。事業として、取り扱うサービスや商品が限定され、商圏も限られるため、今後の少子高齢化、人口減少による、需要の変化や減少の影響を大きく受けると考えられます。
「小規模事業者持続化補助金」事業は、経営計画作成と販路開拓を一体化して支援を行い、生産性の向上を図ることを目的とした制度です。
具体的には、販路開拓等に取り組む事業者に対して、その取り組みにかかる費用を原則50万円を上限(補助率:2/3)に、国が補助する制度です。
補助対象者 | 小規模事業者 |
---|---|
補助対象事業 | 経営計画を作成して、計画に沿った販路開拓等に取り組むための費用 |
補助率 | かかった費用の2/3 |
補助上限額 | 原則50万円 |
なお、経営計画の作成に商工会議所または商工会の助言、指導、支援を受けることが必要です。
また上記の補助率、補助上限額は通常枠の場合になります。
その他の類型については、下記補助率と補助上限額をご確認ください。
利用できる事業者
小規模事業者持続化補助金を利用できる事業者は、下記に該当する法人、個人事業者、特定非営利活動法人です。
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 常時使用する従業員の数 5人以下 |
宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
また、以下の全ての要件を満たす方が補助対象者になり得ます。
- 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
- 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
- 本補助金の受付締切日の前10か月以内に、持続化補助金(一般型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択されていないこと
一部の農業者などは対象外なので注意
なお、下記の方は小規模事業者持続化補助金の対象外となりますので申請の際にはお気を付けください。
- 医師、歯科医師、助産師
- 系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者についても同様)
- 協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
- 一般社団法人、公益社団法人
- 一般財団法人、公益財団法人
- 医療法人
- 宗教法人
- 学校法人
- 農事組合法人
- 社会福祉法人
- 申請時点で開業していない創業予定者(例えば、既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)
- 任意団体
補助対象となる事業
補助の対象となるのは、商工会議所または商工会の指導、助言を受けて作成した「経営計画」に基づいた、販路開拓や併せて行う、生産性向上や業務効率化のための地道な取組に要した費用です。
1 経営計画の作成
「経営計画」は商工会議所または商工会の指導や助言を受ける必要があります。
仮に、指導や助言を受けず作成したとしても、申請の時に作成された「経営計画」に、商工会議所または商工会に確認の印鑑が必要になります。この時、無用のトラブルを避けるため、必ず事前に助言や指導といった支援を求めるようにしましょう。
2 販路開拓や併せて行う、生産性向上や業務効率化のための地道な取組に要した費用
販路開拓の経費とは、
「新しいお客さんに売り込むために必要な経費」や
「新しいお客さんを掴むため、商品やサービスを開発して売り込むために必要な経費」を指します。
具体的な例として以下のものがあげられます。
項目 | 補助対象例 |
---|---|
機械装置費 | ・新商品を陳列するための棚の購入 ・新たに倉庫管理システムのソフトウェアを購入し、配送業務を効率化する ・新たに労務管理システムのソフトウェアを購入し、人事・給与管理業務を効率化する ・新たにPOSレジソフトウェアを購入し、売上管理業務を効率化する ・新たに経理・会計ソフトウェアを購入し、決算業務を効率化する など |
広報費 | ・新たな販促用チラシの作成、送付 ・新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告) ・新たな販促品の調達、配布 ・ネット販売システムの構築 など |
展示会出展費 | ・国内外の展示会、見本市への出展、商談会への参加 など |
開発費 | ・新製品の開発 など |
資料購入費 | ・新商品の開発にあたって必要な図書の購入 など |
雑役務費 | ・新たな販促用チラシのポスティング など |
借料 | ・国内外での商品PRイベント会場借上 など |
専門家謝金 | ・ブランディングの専門家から新商品開発に向けた指導、助言 ・業務改善の専門家からの指導、助言による長時間労働の削減 など |
専門家旅費 | ・専門家の調査など、派遣するのにかかった交通費 など |
車両購入費 | ・移動販売、出張販売に必要な車両の購入(買い物弱者対策事業に限る) |
設備処分費 | ・経営計画に沿って、設備を処分した費用(補助対象経費総額の1/2が上限) |
委託費 | ・新商品開発に伴う成分分析の依頼にかかった費用 など |
外注費 | ・店舗改装(小売店の陳列レイアウト改良、飲食店の店舗改修を含む。) など |
旅費 | ・経営計画に関する調査のための交通費 など |
補助率と補助上限額
補助率とは、かかった費用の内どれだけ補助してくれる割合を示すものです。
例えば通常枠の場合、補助率は2/3ですから、仮に30万円かかったとすると、30万円×2/3=20万円となり、20万円が補助金として支給されます。
では、120万円を経費に使ったとしましょう。120万円×2/3=80万円となります。
ところが、補助上限額が50万円と設定されていますので、上限額の50万円が支給されることになります。
補助上限額は、支給される補助金の上限を表しています。
補助対象の経費と認められるには、原則として、次の条件を全て満たしている事が必要となります。
- 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
- 交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
- 証拠資料等によって支払金額が確認できる経費
通常枠
補助率 | 2/3 |
補助上限 | 50万円 |
追加申請要件 | なし |
賃金引上げ枠
補助率 | 2/3(赤字事業者については3/4) |
補助上限 | 200万円 |
追加申請要件 | 補助事業の終了時点において、事業場内最低賃金が申請時の地域別最低賃金より+30円以上であること。ただし、この要件を満たさない場合は、補助金の交付は行いません。 なお、すでに事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+30円以上を達成している場合は、現在支給している(※1)、事業場内最低賃金より+30円以上とする必要があります。 ※1:申請時点において直近1か月で支給している賃金のことをいいます。 |
卒業枠
補助率 | 2/3 |
補助上限 | 200万円 |
追加申請要件 | 補助事業の終了時点において、常時使用する従業員の数を増やし、小規模事業者の従業員数を超えて規模を拡大すること。 |
後継者支援枠
補助率 | 2/3 |
補助上限 | 200万円 |
追加申請要件 | 申請時において、「アトツギ甲子園」のファイナリストになった事業者であること。 |
創業枠
補助率 | 2/3 |
補助上限 | 200万円 |
追加申請要件 | 産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業」による支援を公募締切時から起算して過去3か年の間に受け、かつ過去3か年の間に開業した事業者であること。 |
インボイス枠
補助率 | 2/3 |
補助上限 | 100万円 |
追加申請要件 | 2021年9月30日から2023年9月30日の属する課税期間で一度でも免税事業者であった又は免税事業者であることが見込まれる事業者のうち、インボイス(適格請求書)発行事業者の登録が確認できた事業者であること。 |
ここでは概要にとどめましたので詳しくは「公募要領」を確認いただくか、税理士法人Besoにご相談ください。
利用に関する注意点
- 「補助金交付決定通知書」の受領後でないと補助対象となる経費支出等はできません
- 補助金は後払いです(数か月かかることがあります)
- 補助金をもらえるのは1年目のみ(事業を継続しても最初の1年のみ)
- 補助金をもらうことは目的ではない(経営計画に基づいて地道に販路開拓するための支援)
- 商工会議所や商工会と一緒に経営計画を作成する(勝手に作っても認められない)
- 補助事業の内容等を変更する際には事前の承認が必要です(勝手に変更できない)
- 補助金で取得した設備や備品を勝手に処分や目的外使用することができない
以上の点には注意が必要です。
特に1と2については経営計画の実施に大きな影響を及ぼしますので、余裕をもった計画を立てるようにしましょう。
申請の流れ
申請スケジュール
「小規模事業者持続化補助金」は国による施策のため、国の予算によって実施されています。2022年度の募集は終わりましたが、第11回の締め切りは2023年2月20日(事業支援計画書(様式4)発行の受付締切は原則2023年2月13日)となっています。
受付期間は商工会議所と商工会で多少異なりますので、WEBページを細かくチェックしておきましょう。
まとめ
「小規模事業者持続化補助金」事業に申請する場合、申請の期日に余裕をもって対応する事が肝要です。
自分が商工会議所の管轄なのか、商工会の管轄なのかを確認して、早めに補助金申請の相談に向かいましょう。
大まかなスケジュールは例年通りになると考えると、募集開始前に経営計画の作成に着手しておきたいところです。
補助金事業全般にいえることですが、審査で加点されるべき点や考慮されるポイントもあります。
商工会議所や商工会、あるいは顧問税理士など専門家の意見も確認するようにしましょう。
「小規模事業者持続化補助金」に興味を持たれた方は、どうぞお気軽に税理法人Besoにご相談ください!!
BESO 吉川 昌宏
明るく正しい納税をお手伝いします!!