税理士のビジネスチャットにおける「閲覧期限問題」と、今、税理士法人Besoが行うべき5つの施策プロセスを全公開!
目次
SlackとChatwork。続く「チャットツールのプラン改定」
2022年7月18日の「Slackのフリープラン改定」に続き、2022年9月6日「Chatworkのフリープラン改定」のアナウンスがありました。
2022/09/06 – フリープラン グループチャットの利用上限数撤廃のお知らせ
税理士の方々の間でも「チャットツールのプラン改定」が話題になっています。
そこで今回は「Chatworkのフリープラン改定」に伴い、チャットツールへの考え方、税理士法人Besoが早急に取るべき施策、顧問先様へのアナウンス手順をまとめました。
顧問先や事務所内部のコミュニケーション方法が刻々と変わる中、税理士の方々のお役に立てれば幸いです。
まず「Chatworkフリープラン改定」に対してどう思ったか?
個人的には、「あー、変更になるんだ」といった印象で、企業(Chatwork株式会社)に対して不安に思ったことは、特にありませんでした。逆に、企業の成長のためには必要な意思決定だったんだな、というポジティブな印象でした。
ただし「顧問先様への案内」は早急に行わなければいけない
そして、「顧問先様への案内は早急に行わなければいけないな」ということが、頭によぎりました。
なぜなら、弊社でもそうですが、チャットツールは、顧問先様にフリープランで使っていただいていることがほとんどです。
すると、「Chatworkフリープラン改定」によって「顧問先様側では直近40日以内に投稿された最新5,000件しか見れない」という現象が起きるのです。
注目は、件数よりも”40日しか見れない”という点。
税理士とやり取りする経理担当者様からすると、「税理士との1か月、2か月以上前のやり取りを振り返る」なんて、日常茶飯事だと思います。
「早急にBesoとしてどうするかを提示する必要があるな」という思考が走りました。
税理士として私がChatworkを使っていた5つの理由
私が税理士としてChatworkを使っている理由は、以下の点で考えたとき、一番適していたからです。
- 顧問先様が使いやすいかどうか
- 金額は高すぎないか(社内および顧問先様)
- やり取りの履歴が残るかどうか
- 資料の保存期間は無制限かどうか
- セキュリティは安心できるか
「Chatworkフリープラン閲覧期限40日」で顧問先様が困る点
ここで、顧問先様が「Chatworkフリープラン閲覧期限40日」になると困る点を整理してみます。
顧問先様からすると「顧問先様側で”40日”前までしか閲覧できない」ことは、業務遂行に支障をきたす恐れがあります。
なぜなら、
①顧問先様で「40日以前のメッセージ」を振り返ろうとしても、振り返れない
②経理担当者の方の変更時、「税理士とのやり取りはほぼゼロベース」から始まる
ことが想定されるからです。
これは大問題だと、個人的には思います。
「Chatworkフリープラン閲覧期限40日」で税理士側が困る点
税理士側の困る点。
それは、
①顧問先様が閲覧できない過去の情報を「税理士側から人力でお伝えする」ことになる
②解約理由の多くを占める「言った言わない問題のリスク」が上がる
こと。
「業務効率化」が急務である税理士業界なのに、まさかの逆行することになりかねません。また「法的なリスク」を軽減するためにも「履歴をきちんと確認できる」という点は考慮すべきです。
ますます閲覧履歴は重要ですね。
今、税理士法人Besoとして行うべき具体的な施策は何か?
では、今、税理士法人Besoとして、税理士の私が行うべき具体的な施策とは何でしょうか?
以下、5つのプロセスにまとめました。
①9~11月の税理士事務所スケジュールを把握する
②Chatwork内データの移動/保管
③事務所のチャットツールの選択
④顧問先への案内の内容を考える
⑤顧問先への案内を開始する
①9~11月の税理士事務所スケジュールを把握する
まず、
・所内全体の業務スケジュール
・各担当者のスケジュール感と業務量
を確認します。
また、多くの事務所が担当制だと思います。
・担当者がどういったスケジュール感で顧問先様への案内をしているのか
これも、確認しておくのがGoodですね(急に言うと、誰もが困る…)。
②chatwork内データの移動/保管
次に、日々のやり取りの中で、
・法的なリスクがあるもの
・記録しておいた方がいい情報
を「ストックする情報」として、所内で決めた場所に保管します。
これを機に、これまで様々なところに点在していた知識を、誰もが閲覧できるような「共有の場所」に移管できるとより良い。暗黙知化していたものを、「所内の資産へと変えていくきっかけ」になるはずです。
※ここで重要な視点は、業務設計の段階で「フロー情報」と「ストック情報」の棲み分けと管理を想定することです。
③事務所のチャットツールの選択
これが大きな問題かと思います。
税理士法人Besoでは、以下の方向で検討中です。
・顧問先様:Chatworkはフリープランで継続利用いただく
・顧問先様と税理士事務所のやり取り:全て「ZoooU(ゾー)」で行う
そもそも、Chatworkはチャットツールです。チャットは「ログが残らなくても問題ない」という使い方が原点でしたね。日々のやり取り(フロー情報)はChatworkのフリープランで行います。
そして、ログを残すべきストック情報は「ZoooU(ゾー)」で残していく。
そうすることで、
・顧問先様への負担は、ゼロ(移行の負担&コスト負担)
・税理士事務所は、情報のストックが可能
になります。
ZoooU(ゾー)とは何か?
ここで簡単に、ZoooU(ゾー)をご紹介します。
ZoooUとは、2022年6月、株式会社Besoが、オープンβ版をリリースしたプロダクトです。
公式サイト:ZoooU
ZoooUは、「顧問先と税理士事務所の業務管理」における3つの課題
1.人材不足と業務量の増加
2.教える時間と学ぶ時間がない
3.新しい価値を提案できない
を解決するため、「業務ガイド」と「実務学習ガイド」を提供します。
顧問先や税理士事務所の担当者で発生する
・業務を「先まわりしてガイド」すること
・実務に寄り添ったカタチで「教育 – 学習ができる仕組み」
を実現するサービスです。
動画で分かるZoooU(YouTube動画)
※詳しくは、ZoooUまでお問い合わせ下さい。
④顧問先様への案内の内容を考える。顧問先様の負担を最小化する運用案は何か?
そして、顧問先様へ、いつ、何を、どのように説明すると良いかを考えます。
説明する順序としては、
・「Chatworkフリープラン改定」の内容をお伝えする
・「Chatworkフリープランの継続利用のリスク」をお伝えする
・特に「ログが残らないことによる法的なリスク面」を中心にお伝えする
その後に、
・「自社の方向性」をお伝えする
これがベターです。
そのためには「自社の方向性」を決定する必要があります。
これらを考える基準は「顧問先様の負担を最小化する運用案は何か?」です。なぜなら、現時点で税理士事務所が念頭に置く目的は「顧問先様との契約継続」だからです。
自社の方向性:チャットツールを選択する
結論から言うと、個人的には「Chatworkのフリープラン&ZoooUによる運用」が、もっとも良いと考えています。ですが、それも含め、今回はいくつかの選択肢とそれぞれのメリット・デメリットを挙げました。ご参考にしていただけますと幸いです。
プランA.顧問先様のChatworkを有料プランへ変更し、費用は税理士側で負担
顧問先様へのツール変更の負担を減らすために、一番最初に思いつく対応策「料金を税理士側で負担する」。
ただこの選択肢は、「顧問先様の数」「Chatworkを使っている人数」が多ければ、負担額も大きくなります。よって、現実的ではないかもしれません。
- メリット
- 顧問先様のツール変更の手間を削減できる
- デメリット
- 料金負担
プランB.顧問先様とのチャットツールを、ChatworkからLINEWORKSへ変更する
なんといっても、導入ハードルが低いのがLINE。
「社外とのやり取りが少ない顧問先様」であれば、おすすめです。ただ、個人的には「既読機能」に圧を感じてしまう…。そのため、私だったら使わないかなと思います。
- メリット
- 無料で使える
- LINEと同じUI/UX。導入ハードルが低い
- デメリット
- 無料だと社外とのやりとりが20人まで
- 既読機能が…圧。
プランC.顧問先様のChatworkはフリープランのまま。ZoooUでストック情報を管理
顧問先様には、Chatworkのフリープランを継続利用していただきます。そして、ストック情報のためのツールとして「ZoooU(ゾー)」を利用する、という運用案です。
「ZoooU」は、税理士業務には必須の「進捗管理」や「書類管理」「ToDo管理」など、税理士業務に必要な機能とチャット機能が使えるプロダクト。
※2022年6月以降、税理士法人Besoでは「ZoooU」を利用しています。
- メリット
- 業務管理を行いながらチャット機能を利用できる
- 書類もデータで管理できる
- チャット機能は無料(閲覧期限なし)
- チャット機能⇒ストレージをワンクリックで実現
- デメリット
- ブラウザ利用(2022/9時点)
チャットツール以外にも「顧問先様もToDo機能が使える」「税理士と顧問先様でタスクを共有しあえる」という利点もあります。
※ZoooUの利用料金は、税理士事務所側の月額費用とログインIDごとの費用のみ。「顧問先様のアカウント発行は無制限で無料」です。詳しくは、ZoooUまでお問い合わせ下さい。
※実は、この「顧問先様のアカウント発行は無制限で無料」が大きなポイント。「チャットツール閲覧期限問題」に対して、顧問先様に、現状よりもベターなご提案をすることが可能になります。
「LINE」コミュニケーションをどう考えるか?
LINEでコミュニケーションをとることは、「ストック情報のためのツールと運用」が税理士事務所にあれば、問題ないと思います。
前述したように、
・フロー情報である日々のコミュニケーションは「LINE」で行い
・ログを残すべきストック情報は「ZoooU」で保管/管理していく
LINEを使用しながら「ストック情報のためのツール」を運用することをお勧めします。
⑤顧問先への案内を開始する
スケジュールもタイトであるため、全顧問先様へきちんと案内できるように
・スケジュールをしっかり組み
・できれば、一斉送信ではなく、顧問先様ごとにお伝えする
・そして、丁寧にお伝えする
顧問先様にご理解いただけるよう、説明します。
「Chatworkフリープラン閲覧期限40日」が始まる前に
このように「Chatworkフリープラン閲覧期限40日」が迫る現在、税理士事務所が行うべき具体的な施策と手順は、5つのプロセスにまとめることができます。
①9~11月の税理士事務所スケジュールを把握する
②Chatwork内データの移動/保管
③事務所のチャットツールの選択
④顧問先への案内設計
⑤顧問先への案内を開始する
そして、ここで重要な視点は、業務設計の段階で「フロー情報」と「ストック情報」の棲み分けと管理を想定することです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
少しでも参考になるところがあれば、大変嬉しく思います。
「ZoooUに興味が湧いた」という、税理士事務所の方がいらしたら、ぜひお問い合わせ下さい。現在の課題感からお聞かせいただき、弊社の導入事例も紹介しながら、有効なZoooUの運用方法をご提案いたします。
ZoooUのイベント(参加無料)のお知らせ
Peatixイベント 2022年10月6日(木) 15:30-17:00 ※参加無料
2022年10月6日(木) 15:30-17:00に、Peatixにてオンラインイベントを行います。
【従業員もできる】顧問先のDX支援コンサルティングと税理士事務所の収益化。税務会計業務ガイド「ZoooU(ゾー)」の活用事例を通して
税理士法人Besoにおいて「従業員もできるコンサルティング」を確立する役割を担う税務会計業務ガイド「ZoooU」。第二部で、導入事例と運用者のリアルな声を紹介します!
顧問先と税理士事務所のための税務会計業務ガイド「ZoooU(ゾー)」について、余すところなくお伝えします!
■「2022年10月6日(木)15:30~17:00」のプログラム
開催日時
2022年10月6日(木)15:30~17:00
15:20開場/15:30開始~17:00終了予定
場所:Google meet
定員:100名
参加費:無料
15:30~15:50 第1部
1.イントロダクション
2.インパクトのある定量的/定性的な実績のご紹介
3.税理士法人Besoが直面した課題
4.税理士法人Besoが考えた解決施策
5.実施/運用の取り組み方
6.どのように顧問料のアップセル提案を容易に行えるようになったのか?
15:50~16:30 第2部:トークセッション
実際にZoooUを導入/運用した担当者に聞くメリット/デメリット
ZoooUのメリット/デメリット(税理士:北浦)
ZoooUのメリット/デメリット(税務スタッフ:田邊)
ご質問と回答
事前に募集するご質問や、イベント中にいただいたご質問にお答えします。
16:30~16:45 第3部
ZoooUのリリース情報
ZoooUの導入方法について
2022年11月に行う「東京でのオフラインイベント」についてのお知らせ
※ご質問がおありの方は、そのままご相談いただけます。
17:00 終了
皆様のご参加を心よりお待ちしております。