税理士事務所向けDXコンサル始めました
突然ですが税理士の仕事は、AIによってなくなる仕事TOP20に入っている業種と数年前から言われていますが、税理士業界はどのように変化してきたのでしょうか?(※AIによって仕事がなくなるか否かを議論したいわけではないです)
これまでは、「まだ大丈夫」「紙での業務の方が早い」という言い訳ができていたかもしれませんが、chat GPTをはじめとするAIも発達してきている今、私たち税理士もしっかり現実と向き合い、課題解決のために本気で動きだす必要があると感じています。
テクノロジーの発展に逆に感謝しながら、人手不足に悩む税理士業界を「テクノロジー活用によって改善できる」と考え、勇気を持ってDX化を進めていくことが重要です。
とはいえ
- 何から着手していいかわからない
- どうやればいいのかわからない
- 所員が反発し、退職者が出るのが怖い
上記のような悩みを抱えていらっしゃる税理士事務所の代表の先生も少なくないと思います。
少しでも参考になればいいなという想いから、税理士事務所DXの記事を書くことにしました。
多数の事業会社の業務効率化コンサルティングに携わった経験と、税理士法人の経営の経験から税理士事務所のDXのプロセスについて、失敗談も交えながら解説していきたいと思います。
目次
税理士法人Besoの失敗談
時間軸も、ゴールの状態も明確でない状態で進めた
「いつまでに」「どんな状態を目指す」なぜなら「〇〇だから」
を明確にしていなかったことにより、メンバーに意図が伝わっていなかったり、途中で頓挫してしまうことが往々にしてありました。
実際に推進してくれるのはメンバー中心なので、DX化(業務効率化)を行うことでみんなにどういったメリットがあるのかまできちんと伝えるべきだったなと反省しています。
ツールさえ導入すれば効率化できると勘違いしていた
独立当初からツール投資(IT投資)には積極的に行っていたのですが、2年目くらいからツールが乱立し、「これほんまに必要なん?」という状態が発生しました。
ツールが乱立していることで逆に探す時間がかかり、想定とは違う使い方をされるなど、業務が逆に属人化していく最悪の状態になりました。
根本的な課題が何なのか?がわかっていなかった
ツールをいくつ入れど業務効率化ができない、、、と悩んでいた時期もありました。
それは、その課題の解決方法がツール導入ではなかったというのが結論なのですが、「どこに根本的な課題があるのか」を明確にすることに時間がかかってしまいました。
私自身が課題抽出することが苦手であるのも原因のひとつですが、「経営に時間を捻出できない」「相談できる人がいなかった」というのも言い訳であり、大きな要因だったと感じています。
まずはじめにやるべきこと
目的・ゴールを明確にする
正直、このステップが一番重要です。
目的=「なぜ所内DXを進めるのか」「〇〇を実現するために所内DXを進める」
をしっかり明確にしましょう。
ここが明確でないと、進めていくうちに目的を見失って思っていた方向性とは異なった方向に向かってしまう恐れがあります。
さらに、ゴール=「〇〇な状態」を決めておくことでイメージしやすくなるので、所内メンバーも理解しやすくなります。
「DXを推進する」としっかり意思決定する
あとは経営陣や代表が「DXを推進する」しっかり意思決定することが重要です。
DXを進めることは簡単なことばかりではなく、大変なことも多いですし、所内メンバーを巻き込んで行う必要があります。
よく所内メンバーの方から「所長がはっきり意思決定してくれないので進められない」とご相談頂くこともたくさんあります。
メンバーの方のやる気があったとしても、代表が意思決定されていない事務所さまに対してはサポートしづらいのも本音です。
DXを行う目的をきちんと説明し、周知し、アクションに移していくことが大切です。
「やる」と意思決定された事務所さまに対しては我々も200%でサポートさせて頂きます。
次に行うことは現状把握
現状の業務プロセス全体を可視化する
ゴールが明確になったので、次は課題を見つける準備として「現状の業務フローの可視化」を行いましょう。
Besoでは以下のように図に落とし込んで現状の業務フローを可視化させました。
(会計事務所向けコンサルでもこのような方法で業務フローを可視化させます)
このように現状の業務フロー図を作成していくと「ここどうなってるんやろ?」「誰がこれってやってるんやろ?」というのが出てくるはずです。
そういった部分が、業務過多の原因だったりするので、わからない部分については所内ヒアリングなどを行って徹底的に明確化していきましょう。
どこに課題があるのかを明確にする
可視化されたらゴールと比較して、どこに課題があるのかを分析していきます。
言い換えると、理想と現実のギャップがどこにあるのかを見ていきます。
ギャップ=課題なので、目をそらさず見つけていくことが大切です。
見つかったら、後は改善するだけなので、課題を見つけられたみなさま喜んでください!
もうゴールもすぐそこです!(笑)
その次に重要なのは「優先度」と「時間軸」
どの課題を解決するとインパクトが大きいか?(リソース的な観点も)
課題が明確になったら「どこから着手すべきか」を検討しましょう。
目的もゴールも見え、課題も見えてくると、ワクワクして「さぁ、全部いっきにやるぞ!」となりがちなのですが、落ち着いていきましょう(笑)
全部やろうとすると、すべてができなくなるので優先度を決めていきます。
以下のような軸で考えると優先度を決めやすくなります。
- 解決したときのインパクトの大きさ
- リソース量
- 難易度
いつまでにそれを実現したいのか(実現しないといけないのか?)
優先度と併せて考えたいのが時間軸です。
階段をイメージして一段ずつ上っていくことが重要なので、以下を意識しましょう。
- ゴールから逆算して、段階をわけてみる
- 段階ごとに「いつまでに実現する」を設定する
階段の高さや、メンバーの人数の多さにも左右されますが、メンバーは通常業務を行いながらDX化を進めていくケースが多いので、メンバーの負担も考慮してイメージよりも1.5倍ほど時間軸は長めに考えることをお勧めします。
新たな業務フローを検討
ゴール、課題、優先度、時間軸が明確になったら、新たな業務フローの検討に入ります。
さらに注目ポイントはここで「ツールの選定」なども行います。
「〇〇な課題」を解決するためにツールを使うのであって、ツールありきで解決しようとするとうまくいきません。
課題が見えていない段階でツール選定をすると「とりあえずなんでもできそうなやつ」という判断でツールを選んでしまい、うまく使いこなせない状態を引き起こします。
以下を明示しながら、今後の業務フローを可視化させましょう。
- いつ
- 誰が
- なにを
- どのように(どういったツールで)
あとは運用・定着
プロジェクト推進者を絶対に決めておく
DXを進めていく最初の段階から推進者と責任者は決めておくことをお勧めします。
以下を明確にしておくことで、任されたメンバーのモチベーションUPや、責任のなすりつけ合いを防ぐメリットがあります。
- 実際に手を動かす人
- 意思決定する人
そして、プロジェクトの進捗について上記メンバーと経営陣が定期的にコミュニケーションを取りましょう。
ゴールから違う方向に向かっていたら軌道修正することや、推進してくれていることに感謝するためです。
運用がきちんと回っているか確認する(ウィークリーのMTGなど)
所内全体での運用の段階に移ると、週次・月次で運用案が実際の業務にマッチしているかを確認していきます。
すぐに修正をかけるのではなく、少し決めた運用方法で進めてみることが大切です。
(明らかに運用案が間違っていた場合は修正が必要ですが・・・)
プロジェクト推進者はメンバー全体とコミュニケーションを取りながら、うまくいっているか否かを確認していきましょう。
第三者の力を借りるのもめっちゃ大事
所内だけでできそうになければ第三者の力を借りるのも一つの手段です。
私自身もまだまだ未熟であるため、いろんな外部の方の力をお借りしております。
最近は「DX化でうまくいってるBesoさんに少しお話聞きたいです」や「所内DXを所内メンバーだけで行うのはベテランメンバーがいるために難しい。Besoさんコンサルしてもらえますか?」というご相談を受けることも非常に多くなりました。
これまではご紹介のみで会計事務所向けコンサルを行っていたのですが、ありがたいことにお声かけ頂くことが大変多くなり・・・。
会計事務所向けコンサルサービスを立ち上げることにしました。
対象者は以下限定となりますが、まず無料でご相談にも乗らせて頂きます。
- ZoooUをご導入頂いた人
- 本気で課題を解決したいと思っている人
- 周りを巻き込む覚悟がある人(トップダウンも可)
- アクションまで落とし込める人
- DXへの予算を確保できる人
本気で向き合っている方に対しては、私自身はノウハウもすべて共有します。
みんなでベースアップしていきましょう!
ぜひご相談ください。
いま税理士業界を良くするためにBesoが行なっていること
税理士業界の生産性を上げることが喫緊の課題であることは周知の事実です。
我々Besoは事務所全体の生産性のアップのみならず、業界で働く方々の人生の豊かさを高めることの両方を実現することを直近のミッションとしています。
まずはZoooU(ゾー)というプロダクトで、税理士の定型業務の効率化を図り付加価値業務を行う時間を創出します。
導入した日から仕組化ができるよう、税理士法人Besoでの型やノウハウをそのままプロダクトにのせました。
税理士業務に特化したツールだからこそできる「かゆいところに手が届く」プロダクトです。
(※IT導入補助金も対象となります。この機会にぜひご導入を検討ください!)
さらには、さまざまなコンサルサービスにて人力でもみなさまの課題解決をサポートいたします。
ZoooU
https://www.zooou.jp/
資料回収のリンク
https://www.zooou.jp/collect_document
まとめ
つらつらと偉そうに書かせて頂きましたが、所内DXのみならず、以下が重要です。
- 目的、ゴールの設定
- 現状分析、課題の可視化
- 運用、定着までのPDCAを回すこと
- やるときめたらやり切る勇気と忍耐力
口で言うのは簡単なのですがアクション出来るかどうかが成功のカギです。
いっしょにこの業界を良くしていきましょう!
最後まで読んでくださってありがとうございます。
BESO 仲田 芽衣
地域経済・日本経済が大きく発展するようスタートアップ企業をサポートし、会計業界の常識を覆し魅力的な業界にすることに注力していきます!
X(旧Twitter): @MeiNakata